「今後1000年のリアルな購買活動を変える」
ここで、逆に質問してもいいですか?
え?急になんでしょう(笑)?
リアルな店舗でのお買い物するスタイルって何年前からあると思いますか?
えーと、うんと、2000年前くらいとか?
「惜しい(笑)。2700年前からです。リアルな店舗でのお買い物は、貨幣が誕生した2700年ほど昔から
取引スタイルがほとんど変わらないオールドエコノミーの世界なのです。
そこ(店頭)にいき、「おばちゃん、ソレとコレちょーだい」っていうやつ(笑)」
2700年も前・・でも確かに言われてみればお買い物のあり方は昔から変わらないですね。確かに江戸時代も今もほとんど変わってない
そうなんです。唯一、IT化が進んでいるのはいわゆるネット上の販売(エレクトリックコマース:EC)ですが、実はその規模は意外に小さくて、例えばアパレル業界ではEC化率は5%程度です。
つまり9割以上はまだまだリアルな店舗で購買をしていて、今後もそれほどは減らないだろうと言われています。その理由は、「実際に見て、触って、試着をしてから買いたい」という消費者のニーズが根強いからだと考えています。
マンガ「リアルコマーステックが描く未来」より
なるほど、確かに私もそうかも。服は試着してから買いたいです
じゃぁ、リアル店舗の販売が多いということは、実はアパレル業界はほとんどIT化が進んでいないということですか?
そうです。店頭での販売(リアルコマース:RC)は、ネット上の販売(EC)に比べて20倍も市場規模が大きい市場なのに、ほとんどIT化が進んでおらず、古い取引システムのままというのが実態です。
例えば、欲しい商品を探そうとしたら、実際に店舗まで出向き、棚から商品を探す必要があります。これはECに比べて格段に「検索性」「一覧性」に欠けており、効率がとても悪い状況です。我々はそれを「リアルコマーステック」により情報革命を起こそうとしています。
ipocaとヤフー業務提携の記者発表資料より
それはちょっと興奮します(笑)。ところで「リアルコマーステック」とは何なのでしょうか?
「リアルコマーステック」は、あらゆる企業や業界の店頭情報や決済、物流などを含むサプライチェーンマネジメントと
統合を図るテクノロジーとも言い換えることができると思います。
現在、我々はそれを多くの企業と実行し、あるいは実行する段階に来ています。
個別のテクノロジーとしては、世界中に散らばる多層レイヤーの複雑な店頭在庫データベースを自動連携させるためのテクノロジーや、新しい屋内位置情報測位システムによる情報発信テクノロジー、人々の消費行動のログ解析をベースとした人工知能によるレコメンドテクノロジー、ロジスティクス連携テクノロジー、多種多様な決済システムとの連携テクノロジーなど様々です。
「個を尊重し、一人ひとりが持つ力を生かせる組織」
ipocaという会社の特徴と強みについて教えてください
一言で表すと「強い想いを持ったチーム」です。」全員に共通しているのは、ミッションを実現するんだ、という強い想いです。
ipocaの普段の風景(飲み会)より
ipocaのミッションとは?
我々のミッションは【リアルコマーステックで、店頭でのお買い物に革新を起こし、人々の笑顔を増やす】です。
そして、ミッションの実現により「今後1000年のリアルな購買活動を変える」という強い想いを皆が持っています。
この想いが成長の原動力になっており、また自分たちなら成し遂げられると信じています。
会社全体が一丸となってミッションを成し遂げようとしているのですね。
そのために気をつけていることなどありますか?
個人を尊重し、一人ひとりが持つ力を生かせる組織を目指しています。
実は私は大きな組織で働いた経験が無かったため、組織作りというものが以前は苦手でした。
組織を作らずひとりでぐいぐいと進んでしまうため、皆が着いて来られずすぐバラバラになってしまう(笑)」
そうだったんですね(笑)なぜ今のようにまとまりのある会社になったのですか?
副社長の山本がジョインして変わりました。彼は大きな組織で働いていただけでなく、強い組織作りの経験も豊富であったこともあり、個を尊重しながら結束力のある強い組織を作れるようになりました。
ビジョナリーを語る一之瀬さんと、現実をまとめる山本さんのコンビがipocaを牽引しているのですね
そうですね、一之瀬と山本のバランスの良さってなかなかすごいと自分たちでも思っています(笑)。
もともと友達だったので何でも本音で言い合える。仕事で議論していると、たまにほとんど喧嘩のようになるときもあるけど、お互いに尊敬し合っている仲だし、お互いにもう大人なので、うまく収まる(笑)
そして、経営においては、私が社内外で夢やビジョン、時には巨大妄想を語り(笑)、山本が組織を活き活きとしたものにまとめあげる。
そうした役割分担がきちんとできているのはipocaの強みと言ってよいと思います。
代表の一之瀬と副代表の山本
「我々は必ず勝つ戦い方をする」
ビジネスモデルもとても良いと感じていますが、いかがでしょう?
我々のビジネスモデルの大きな強みは、安定した土台のうえに、さらに大きな事業展開ができるように
きっちり計算されていることだと思います。
私は税理士というキャリアも影響しているのかもしれませんが、よく「必ず勝つ戦い方をしよう」という話をします。
どういうことかと言うと、「どんな状況にも対応できる潰れない会社」であり、かつ「未来を見据えることで非常識なほど成長する会社」でありたいということです。 ipocaは今年で10期を迎えます。よく会社の10年後の生存率は6%程度と言われていますが、我々は94%のほうに入らないためにはどうするべきか、について日々考えてきました。そして潰れないだけではなくて、未来を見据えて非常識なほど大きく成長するビジネスモデルを考えてきました。
どのような土台作りをなさったんですか?
まずコツコツと売上を積み上げるベースの部分をしっかり設計し、そして本当に作りました。
それがNEARLYのベースの売上ですね。これはタッチャンより遥かに早いスピードで導入が進んだおかげで既に収益化できており、おかげで安定的な経営のための足場ができました。
そして、そのうえに、大きく将来が広がる、つまりスケールするビジネスモデルもきちんと構築してきています。
それがいま進めている「リアルコマーステック」の領域です。
「リアルコマーステック」の展開のためもNEARLYを先に作ることがとても重要だったように見えますが?
まさにその通りです。実はNEARLYを通じて、我々は日本中の商業施設やリアルな店舗から収集する日本最大級・唯一の店頭データベースを保有しています。その蓄積された莫大かつ最新の店頭情報データがあるからこそ、我々は「リアルコマース」の分野で様々なビジネス展開ができるわけです。
例えば、1月18日に六本木ヒルズで記者会見をしましたYahoo!との提携もそうですし、他にも関西電力やジャパンショッピングツーリズム協会との事業提携なども、我々が独自のデータベースを持っているからできることです。
そうしたデータベースを持っているからこそ、今後、「リアルコマーステック」により「オールドエコノミー」だった決済や取り置きなどのサービスを画期的な仕組みへとリプレイスすることができるようになるわけです。
たとえばアパレル業界の市場規模だけでも「EC」0.8兆円に対して、「リアルコマーステック」16兆円あり、さらに関連する市場もさらに多くあります。
こうした市場に対し我々が次々に変革を起こしていこうとしています。
どういう人と一緒に働きたいですか?
それはもう我々のミッションに共感してくれて、リアルな購買活動の“未来”について一緒に考えてくれる人、に尽きますね。
ipocaの組織は、個人の考えを尊重した組織です。だからこそ、自ら考えて行動できる方は大歓迎です。
また、「リアルコマーステック」という考えのもと、決済や物流など既存の仕組みを根っこから変えていくことに挑戦していくのですから、それだけに、チャレンジ精神も求められます。新しいことに挑戦するのは楽しいことですが、同時にとても大変で辛いことでもあります。それを楽しみながら一緒に乗り越えていける強い気持ちや想いを持った人にぜひジョインして欲しいと思っています。
最後に一言メッセージをお願いします
まず、興味を持ってここまで読んでくれたことに感謝いたします。
「今後1000年のリアルな購買活動を変える」という私たちの活動は一見すると壮大に思えますが、将来の実現に向けた具体的なステップをきちんと考えて実施していっています。もし興味をお持ちでしたら、その実現性も含めて直接お伝えする機会をいただければ幸いです。
世の中に新しい価値を生み出すことは簡単ではありませんし、本当に大変なことです。それでも、実際に作り上げていく過程にはやりがいを感じられ、思考がクリエイティブになっていきます。ipocaには、このように個人として成長できる環境があるだけでなく、会社の急成長にも立ち会えるチャンスがあります。
皆さんと一緒に日本のリアルな購買活動のあり方にイノベーションを起こし、実現させていく瞬間に立ち会えることを心から楽しみにしています。